2005年02月17日

◆ 常温大気圧化で歯の成分吹きつけ再生 東北大

「杜の都」からのニュースを見た河北新報社より引用

(以下引用)
「虫歯も元通り 歯の成分吹き付け再生 東北大で実験成功

 東北大大学院工学研究科の厨川常元・教授(ナノ加工学)の研究グループは16日までに、同大学院歯学研究科の佐々木啓一、鈴木治両教授と共同で、歯の主成分ハイドロキシアパタイト(HA)の微粒子を歯表面に高速で噴射し、室温、大気圧環境下でHAの膜を歯表面に生成することに成功した。虫歯治療で切削した部分に歯と同質のHA膜を盛り重ね、ほぼ元の状態に戻すことが可能。新しい歯科治療法として、実用化が期待されている。」



今、仙台という街は「楽天イーグルス」で注目を浴びているが、私も大好きな街の一つである。
落ち着いた京都を思わせるたたずまいだし、昔から独創的な研究をされる方が多い、「笹(ささ)かまぼこ」や「タン塩」も美味だしね!

「 微粒子を少量、定量的に高速で噴射する厨川教授らが考案した微細加工技術を応用し、歯科用の粒子噴射付着装置を精密機械メーカーの仙台ニコン(名取市)と共同開発した。

 装置は平均粒径が3マイクロメートル以下のHA微粒子を、ノズルから毎秒100―200メートルで噴射することができる。実験では膜が歯表面と十分に密着し、硬度も歯と同等だった。
 虫歯は通常、切削した患部にレジンを充てんしたり、詰め物を接着するなどして治療している。しかし、これらの物質と歯質は熱膨張率や弾性が異なるため、時間経過とともにすき間ができて脱落する傾向がある。

 HA膜は歯と同質のため、こうした経年変化がほとんどない。切削部位が大きく、詰め物と併用する場合は、詰め物と歯表面とのすき間を、HAと詰め物素材との割合を少しずつ変えた層構造の膜で埋め、熱膨張率や弾性による脱落を起きにくくすることができる。

 研究は、21世紀COEプログラムに採択された「ナノテクノロジー基盤機械科学フロンティア」の融合研究プロジェクトの一つ。今後は臨床研究などに取り組む方針。開発成果は3月9―12日、米国で開かれる国際歯科研究学会で発表する。
 厨川教授は「虫歯治療の革新につながる技術。HA膜で健常歯をコーティングすれば、虫歯予防にも活用できる」と話している。」
                     (河北新報) - 2月17日7時4分更新

また、日刊工業新聞によると

平均粒径3μm以下の微粒子を0.8mmのノズルから吹き付け、ノズルと歯質間距離1mm、加速圧力0.4メガパスカル、供給圧力0.8メガパスカルの噴射条件下での実験によると、膜の最大高さ5μm、平均高さ3μmで膜とエナメル質の界面が密着したそうだ、膜の高度は600〜700ビッカース。

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