2005年02月19日

【社長Blog】 不揃いの木を組む〜小川三夫さんの講演をお聞きして

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今日、2月19日に「八尾ものづくり塾」へ行きすばらしいお話を聞く機会がありました。

それは、法隆寺や薬師寺の棟梁、西岡常一氏に師事し、内弟子として学び、その後継者として鵤(いかるが)工舎を設立して、宮大工の後継者を育てていらっしゃる小川三夫さんのお話しです。

実は小川さんのお話の後に私自身が「町工場がナノテクに挑む!」と題して講師として話をしなければいけなかったのです(^^;;

でも、先にお話された小川さんのお話があまりにもすばらしかったため自分が話すことは忘れて聞き入ってしまうほどのお話でした。





法隆寺の再建のお話になったときに、「1300年前のモノを再建していくのだからほとんどの資料は残っていない、だから、木で作られた建物と対話をするんだ」というようなことをお話しされていました。

材料一つ、形一つ、その建てられた柱一本の向き、全てのモノに意味があり、現在の宮大工である我々と、飛鳥時代の宮大工とが、法隆寺という建物を通して”1300年の時を経た対話”ができなければ本当のもの作りはできない。

そういったお話をされていました。

我々、コンピューターでモノを作る人間も同じだと思います。

素人の目にはタダの数値と英文字が並んでいるにしか見えないプログラム
その一行一行には意味があり、目的を持って書かれています。

また、図面だってそうです、太い線や細い線で形が書かれているのが図面では有りません。 線の一本一本、寸法公差の数値のわずか0.001mmの違いだって意味を持っているのです。

腕の良い職人が作った加工プログラムには、その職人のモノ作りの考えが表されます。

何でもない図面を見て、その設計者の方の考えが手に取るようにわからないと
本物の職人とは言えません。

「見えないモノをいかに見るか!」

モノ作りには、そんな感性が大切で、それは教えようとしても教えられないと
小川さんもおっしゃっていました。

私自身も大切にしたいと思い、また会社の若い者にも伝えていきたい「職人の心」に通じる小川さんのお話でした。



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