2007年03月03日

シャープ、姫路に新液晶工場建設へ

2007年03月02日06時17分

 家電大手のシャープは、大型テレビ向けの液晶パネルの最先端工場を、兵庫県姫路市に建設する方向で最終調整に入った。投資総額は約2000億円になる見通しで、世界最大のガラス基板を使って40〜60インチの大画面を効率生産する。主力の亀山工場(三重県)に匹敵する国内拠点と位置づけ、09年の量産を目指す。薄型テレビ市場は、世界的に需要が伸びており、単価が高い大画面の比率を高めることで、韓国や台湾メーカーとの競争に打ち勝つ戦略だ。

 同社の一工場への投資額としては過去最大規模になる。建設予定地は、姫路市沿岸部の出光興産兵庫製油所の約120ヘクタールの跡地。早ければ今年夏にも着工する。

 同社の液晶パネル工場は亀山工場に次ぎ2カ所目で、新工場は「第10世代」と呼ばれる縦横約3メートルのガラス基板を使う。昨年稼働の亀山第2工場は「第8世代」の基板(縦2.46メートル、横2.16メートル)を使っており、一度に切り出す大画面の数は大幅に増える。

 亀山は、映像が滑らかで自然な最先端の「フルHD(高精細)」パネルの生産技術を蓄積。今年夏までに第1、2工場を合わせて年産1700万台(32インチテレビ換算)体制になる。新工場は徐々に増強し、亀山規模の生産を目指す。

 シャープは新工場の候補地として、堺市や福岡県北部も検討した。しかし最終的に道路や工業用水などのインフラが整っており、本社や亀山工場と奈良県の研究拠点から離れていない姫路市が最適地と判断した模様だ。

 大型の液晶パネル生産をめぐっては、シャープと世界シェアの首位を争う韓国・サムスン電子が、早ければ今夏にも「第8世代」の新工場を操業させる予定。同じ薄型のプラズマテレビでは松下電器産業が兵庫県尼崎市に新工場の建設を決めている。競争は激化しており、シャープは最新の工場を先行して立ち上げ、優位に立つ考えだ。


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